―しがない農学徒の雑記帳―
しがない農学徒が日々思うところを書き散らします。
色々な尿
高校生物では腎臓の勉強をします。腎臓に限らず多くの学習に言える事だと思いますが、A という概念を理解するという事は、同時に A でない物事の理解を必要とすると思われます。腎臓の学習においては、その機能を理解する上で、不健康な状態における腎臓の機能を知る事は有益であると思われます。そこで本項では腎臓の不健康な状態の表れとしての、色々な尿を紹介いたします。なお、実際には様々な病理があると思いますが、高校生物で説明できる範囲に限ります。
- 無尿
100 mL/day 以下の尿しか出ない症状の事。通常は約 2L / day 排泄される。腎動脈の血圧が低下する事は原因の1つである。
- 乏尿
400 mL/day 以下の尿しか出ない症状の事。病理は同上。
- 尿崩症
逆に多く出過ぎる症状の事。3 L/day 以上となる場合を言うが、基本的にはそれよりも多く排泄される。腎臓を支配するホルモンの1つ、バソプレシンの分泌が低調になると、水の再吸収が促されず引き起こされる。
- 血尿
尿が赤い症状の事。血液から原尿が濾過される際、赤血球またはその成分が糸球体の以上により原尿に混じる事は原因の1つである。あるいは、尿道に傷ができる事によっても生じうる。なお、通常の尿は黄色を示すが、これは血液の液体成分と同じ色であり、由来する成分はヘモグロビン分解産物のビリルビンである。
- 尿糖
尿から検出される糖の事。再吸収が低調だと尿糖値が高くなり、延いては糖尿病となる。
- 蛋白尿
尿からタンパク質が検出される症状の事。濾過の異常により生ずる。
- 尿毒症
濾過異常により尿素が尿に出ず、体内に蓄積する症状の事。腎不全の症状であるらしいが、筆者は病理に詳しくない。